名誉の殺人
愛する人と結婚して実刑5年 パキスタンの夫婦 | Excite エキサイト
「密通」罪で実刑判決を受けたパキスタン人夫婦が釈放されたという。密通といっても、両親の賛成ナシで結婚したというだけ。
このニュース、「世界びっくりニュース」というカテゴリに入っているが、のんきにびっくり仰天などと言っていられるようなものではない。その地域の慣習、文化がからむことは、いい悪いを断じることは簡単ではないし、根深い問題なんだが。
「名誉の殺人」という言葉を聞いて、"Burned Alive" (邦題:生きながら火に焼かれて)という本を思い出した。ライフログにも載せている。1年以上前に読んだ本だけど、名誉の殺人とは何ぞやということもあわせて概要を少し。
この本によると、「名誉の殺人」は、女性のみがターゲットとなり、手を下すのは主に親族の男性。殺人の容疑はそれこそ何でもOKで、婚前恋愛は勿論、ただ「恋のうわさ」が立っただけでも殺人の対象になる。この「名誉の殺人」が行われているのはパキスタンだけではなく、インド、アラブ、そしてヨーロッパでも隠れて行われているとか。
この本の著者は、シスヨルダン(West Bank)で生まれ育った女性。田舎ではよくあるように、女の子は文字の読み書きも教えられず、靴も与えられずに朝から晩まで家畜の世話、炊事に追われる。男の子は「特権階級」だから、学校にも行けるし、映画などにも自由に行ける。そんな生活から逃れるすべは結婚・・・のように思えるが、多くの場合、殴られる相手が父親から夫に代わるだけ。それでも著者は「とにかく結婚したい」と切に願う。10代後半で近所の男性と恋愛関係になるが、この男は、著者が妊娠したと分かるや否や、ドロンと姿を消してしまう。勿論、この妊娠は「名誉の殺人」に十分な理由なことは著者には分かりすぎるほど分かっていたので、お腹を壁に打ち付けるという暴挙にまで出るが、お腹は日ごとに目立ってくる。長いこと隠せるわけもなく、ある日、「いつ、誰が著者を殺すか」という家族会議が極秘で開かれる。
翌朝、洗濯中の著者の前に、義兄が何気ない様子で現れる。あまりにも何気ない様子に、著者が気を緩めた一瞬、義兄は彼女の頭に灯油をかけ、火をつけた。狂ったように柵を乗り越え、走る著者を、通りがかりの女性が湖に放り込み、何とか一命は取留めた。が、病院に運ばれてからも地獄だった。
「名誉の殺人で死に損なった」著者にマトモなケアをしようという看護士がいるはずもなく、著者は殆どほったらかしにされ、意識朦朧の中、未熟児を出産したことも殆どわからなかった。
しかし著者は、偶然彼女のことを知ったスイスの人道団体の女性に助けられる。この女性が八方手を尽くし、危険も顧みずに孤児院、役所などを走り回った結果、何とか著者はスイスに脱出することができ、ようやく皮膚移植手術などの高度治療が受けられるようになった。
治療、フランス語習得などを経て、ヨーロッパで第二の人生を歩き始めることになったが、子供は養子縁組をしてもらい、一度手放さなければいけなかった・・・。全身火傷を負い、自分の足で立つことでイッパイイッパイで、精神的にも安定しているとはいえなかったから。
最終的に著者はヨーロッパでいいだんなさんと、その間に生まれた娘二人と幸せに暮らしていて、ヨルダンで生まれた子供も取り戻すことができた。
これだとハッピーエンドだが、今も著者は身内に身元を知られることはあってはならない。この本も匿名"Souad"として出版されているし、顔は仮面で隠されている。「名誉の殺人」には時効がないので、いつまでもどこまでも追いかけられる危険がある。実際、著者のように運良く脱出に成功し、ひっそり暮らしていても、何故か身内に居所を知られ、殺されてしまった女性がいるという。
後にも先にも、号泣しながら読んだ本はこれくらい。日本語・英語両方読んだが、英語もそれほど難しくない。残念ながら英語版はフィン友兄妹にあげてしまって、手元にはない。ストーリーに引き込まれて3日で読み終えてしまったとか。早!
私、日本語を読んでから英語読んだけど、5日くらいかかった!(爆)
「密通」罪で実刑判決を受けたパキスタン人夫婦が釈放されたという。密通といっても、両親の賛成ナシで結婚したというだけ。
このニュース、「世界びっくりニュース」というカテゴリに入っているが、のんきにびっくり仰天などと言っていられるようなものではない。その地域の慣習、文化がからむことは、いい悪いを断じることは簡単ではないし、根深い問題なんだが。
「名誉の殺人」という言葉を聞いて、"Burned Alive" (邦題:生きながら火に焼かれて)という本を思い出した。ライフログにも載せている。1年以上前に読んだ本だけど、名誉の殺人とは何ぞやということもあわせて概要を少し。
この本によると、「名誉の殺人」は、女性のみがターゲットとなり、手を下すのは主に親族の男性。殺人の容疑はそれこそ何でもOKで、婚前恋愛は勿論、ただ「恋のうわさ」が立っただけでも殺人の対象になる。この「名誉の殺人」が行われているのはパキスタンだけではなく、インド、アラブ、そしてヨーロッパでも隠れて行われているとか。
この本の著者は、シスヨルダン(West Bank)で生まれ育った女性。田舎ではよくあるように、女の子は文字の読み書きも教えられず、靴も与えられずに朝から晩まで家畜の世話、炊事に追われる。男の子は「特権階級」だから、学校にも行けるし、映画などにも自由に行ける。そんな生活から逃れるすべは結婚・・・のように思えるが、多くの場合、殴られる相手が父親から夫に代わるだけ。それでも著者は「とにかく結婚したい」と切に願う。10代後半で近所の男性と恋愛関係になるが、この男は、著者が妊娠したと分かるや否や、ドロンと姿を消してしまう。勿論、この妊娠は「名誉の殺人」に十分な理由なことは著者には分かりすぎるほど分かっていたので、お腹を壁に打ち付けるという暴挙にまで出るが、お腹は日ごとに目立ってくる。長いこと隠せるわけもなく、ある日、「いつ、誰が著者を殺すか」という家族会議が極秘で開かれる。
翌朝、洗濯中の著者の前に、義兄が何気ない様子で現れる。あまりにも何気ない様子に、著者が気を緩めた一瞬、義兄は彼女の頭に灯油をかけ、火をつけた。狂ったように柵を乗り越え、走る著者を、通りがかりの女性が湖に放り込み、何とか一命は取留めた。が、病院に運ばれてからも地獄だった。
「名誉の殺人で死に損なった」著者にマトモなケアをしようという看護士がいるはずもなく、著者は殆どほったらかしにされ、意識朦朧の中、未熟児を出産したことも殆どわからなかった。
しかし著者は、偶然彼女のことを知ったスイスの人道団体の女性に助けられる。この女性が八方手を尽くし、危険も顧みずに孤児院、役所などを走り回った結果、何とか著者はスイスに脱出することができ、ようやく皮膚移植手術などの高度治療が受けられるようになった。
治療、フランス語習得などを経て、ヨーロッパで第二の人生を歩き始めることになったが、子供は養子縁組をしてもらい、一度手放さなければいけなかった・・・。全身火傷を負い、自分の足で立つことでイッパイイッパイで、精神的にも安定しているとはいえなかったから。
最終的に著者はヨーロッパでいいだんなさんと、その間に生まれた娘二人と幸せに暮らしていて、ヨルダンで生まれた子供も取り戻すことができた。
これだとハッピーエンドだが、今も著者は身内に身元を知られることはあってはならない。この本も匿名"Souad"として出版されているし、顔は仮面で隠されている。「名誉の殺人」には時効がないので、いつまでもどこまでも追いかけられる危険がある。実際、著者のように運良く脱出に成功し、ひっそり暮らしていても、何故か身内に居所を知られ、殺されてしまった女性がいるという。
後にも先にも、号泣しながら読んだ本はこれくらい。日本語・英語両方読んだが、英語もそれほど難しくない。残念ながら英語版はフィン友兄妹にあげてしまって、手元にはない。ストーリーに引き込まれて3日で読み終えてしまったとか。早!
私、日本語を読んでから英語読んだけど、5日くらいかかった!(爆)
by ChristineS
| 2006-05-02 23:10
| 日々アレコレ
"Mita kuuluu"? は英語で"How are you?" という意味。10年以上も前にフィンランドにお友達ができて以来、フィンランド&北欧がお気に入りになったChristineの日記。コメントいただけると嬉しいです★
by ChristineS
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